Canon Alphenix Biplane

令和元年6月より、当院ではCanon社製のAlphenix Biplaneという血管撮影装置を導入しました。
血管撮影装置とは、カテーテルと呼ばれる細い管を目的の血管や臓器まで挿入し、造影剤を注入して血管の状態を撮影する、いわゆる『カテーテル検査』を行う装置です。動脈瘤の有無や血管の狭窄や閉塞、腫瘍の分布や血流・血行状態を知るための検査です。
この装置は、高精細検出器を搭載しており、透視・撮影時に超拡大・高精細画像の表示が可能となりました。細かな血管や病変部が高精細に見えるため、診断・治療の際に大きな力を発揮すると考えます。
また、最先端の治療・診断に対応すべくバイプレーン装置を導入しました。バイプレーン装置とは2つのX線管球が採用されていて同時に2方向からの観察・撮影ができ、被ばく線量と造影剤量の低減が可能となります。脳動脈瘤のコイル塞栓術や不整脈治療のカテーテルアブレーションの際には同時に多方向からの観察が可能となるため、効率よく手技が行えます。
ANGIO画像例
「冠動脈造影撮影」

左の画像は冠動脈をANGIOにて撮影した画像です。この画像はリアルタイムで造影検査を行っており、任意の角度から撮影が可能となっています。
診断カテーテル検査で、もし冠動脈が狭窄していれば、その場でバルーンやステントなどの治療も可能です。
「脳動脈造影」

左の画像は脳動脈をANGIOにて撮影した画像です。この画像はリアルタイムで造影検査を行っており、任意の角度から撮影が可能となっています。
この画像は側面からの撮影を行っており、ちょうど中心部で、丸く、黒色にしっかりとそまっている部分が脳動脈瘤です。
「脳動脈造影 3D」

左の画像は脳動脈瘤を3D ANGIOにて撮影した画像です。この画像はリアルタイムで造影検査を行いながら、装置(Cアーム)を回転させながら撮影した画像です。
この検査で、より正確な動脈瘤の位置や向きなどを把握することができ、今後の治療方針に役立ちます。
PHILIPS FPD搭載モバイルCアームシステム Veradius

平成27年3月に導入された胸部大動脈、腹部大動脈ステントグラフト内挿術において、手術中の透視、撮影に対応した装置です。ステントグラフト内挿術は、胸部や腹部の大動脈瘤の治療で、足の付け根の血管からステントグラフトという金属製の骨組みに支えられたグラフト(人工血管)を大動脈瘤の長さの範囲内に留置する手術です。ポータブルのCアームスタンドと移動型ビューステーション(モニター)を手術室に設置しており、手術中に透視、撮影を行い、大動脈にステントグラフトを留置することで、開胸や開腹手術に比べ、低侵襲かつ短時間で大動脈瘤の治療をすることが可能となりました。
ANGIO画像例

左の画像は胸部大動脈瘤を撮影した画像です。この装置は手動でCアームの角度や位置を変えることが出来るため、大動脈のアーチからでる血管や、瘤の位置を把握できる適切な角度に調整します。

左の画像はステントグラフトを大動脈に留置した後の画像です。大動脈瘤内に血流が流れていないことが確認できます。ステントグラフトを大動脈に留置した後は、透視画像を確認しながらステントグラフトを大動脈に圧着させるためバルーンで膨らませます。最後に確認のための撮影を行い、手術は終了となります。