MRI装置(1.5T)(PHILIPS Achieva 1.5T)

 平成22年11月より、沼田脳神経外科循環器科病院ではPHILIPS(フィリップス)社製のMRI装置が稼働しています。

 この装置の一番の特徴は、32チャンネル対応装置であり、心臓の撮影に長けている点で、冠動脈撮影(MRCA)が非造影(造影剤を使うことなく)にて行うことができます。腹部や乳房の撮影においても以前の装置とは格段に差別化できます。

MRI画像例

「冠動脈MRA(非造影)」

 左の画像は心臓を栄養している血管‘冠動脈’をMRIにて撮影した画像です。
 CT検査とは違い造影剤を使用しないで撮影することができ、腎機能の悪い方でも安心して検査を行うことができます。
 冠動脈MRAを行うことで、冠動脈の狭窄の有無などの評価が可能です。

 
「下肢動脈MRA」

 左の画像は下肢の動脈をMRIにて撮影した画像です。腹部の大動脈から分岐をし、両下肢の足部までを撮影しています。この撮影においても、造影剤を使用せずに撮影を行い、下肢動脈の狭窄の有無や程度などの評価が可能です。

 
「頚動脈MRA」

 左の画像は頚部(首)の動脈をMRIにて撮影した画像です。大動脈弓部とよばれる大血管より、頭部までの動脈を撮影しています。頚部の動脈には内頚動脈の分岐部や椎骨動脈の起始部の狭窄の有無、程度、動脈硬化による血管の蛇行の程度などの評価が可能です。

 
「脳動脈MRA」

 左の画像は頭部(脳)の動脈をMRIにて撮影した画像です。頭部の動脈では、前交通動脈分岐部、中大脳動脈部、内頚-後交通動脈分岐部、脳底動脈終末部などに脳出血の原因となる動脈瘤の好発部位があります。また頭部の動脈における狭窄の程度や閉塞などの評価が可能です。

 
「VSRAD」

 左の画像はアルツハイマー型認知症の早期診断のために、MRIによる認知症診断支援システム”VSRAD(ブイエスラド)”を撮影した画像です。これまで、難しかった認知症の早期診断の参考となる情報を得ることが出来ます。アルツハイマー型認知症は、早期診断、早期治療が重要となってきます。

「MRS(magnetic resonance spectroscopy)」

  左の画像はMRS(magnetic resonance spectroscopy;MRスペクトロスコピー)を撮影した画像(グラフ)です。 MRSは、生体内の分子(物質)の種類や成分を調べる撮影法で、特定の部位を撮影・解析しグラフ化することで正常部位と病変部位の個々の物質のピークを調べることが可能です。 主に脳腫瘍の鑑別などに対して有用な撮影法です。

「DWIBS(Diffusion-weighted Whole Body With Background Body Signal Suppression: 全身拡散強調画像)」

 左の画像は全身拡散強調画像(DWIBS)を撮影した画像です。この画像は拡散強調画像を用いて、全身の悪性腫瘍スクリーニングを目的として撮影します。MRIによる撮影のため、被ばくが無く、また造影剤を使用しないので、核医学検査や造影CT検査に比べ、非侵襲的に全身のスクリーニングを行う事が可能です。