社会医療法人輝城会  理事長 西松 輝高

理事長西松輝高 沼田脳神経外科循環器科病院の位置する沼田保健医療圏は、四方を山々に囲まれた県北部の自然豊かな地にあり、1765㎢という広大な面積は群馬県の凡そ28%を占める一方、僅か4%に過ぎない81,000人余りの人口は、2020年から2040年の20年間でさらに29%(22,000人)減少すると試算されながら、75歳以上の後期高齢者は8.5%増加するとしたデータがあります。(日本医師会編「地域医療情報システム」より)

 当院は、昭和57年、脳神経外科専門医不在の当地で、栃木県境の片品村や新潟県境の水上町藤原の救急患者が、1時間以上をかけて群大病院などに搬送される状況を憂いた私が、急性期から在宅まで一貫した関わりと、将来的には地域内での医療(介護)完結を目指すという構想を持って開業したことがその前身です。その後、程なく50床の病院から医療法人への改組を経て循環器科を併設、私自身も20年以上外来や手術に明け暮れるうち、平成16年には優秀な医師を招聘し、地域で唯一開胸手術の実施可能な設備を整えた結果、平成21年7月には救急医療の要件により社会医療法人に認定されています。さらにその2年後の平成23年には、地域柄、交通不便な地域に高齢患者が多く暮らす実情を鑑み、地域への還元として、従前国立病院が一手に担ってきたへき地医療に参入し、へき地医療の要件でも社会医療法人の認定を得ており、現在ではへき地医療拠点病院にも指定されています。
 これまで脳と心臓の急性期専門病院として、看護師を中心にベッド数の3倍の職員を配置、検査技師、放射線技師、薬剤師を24時間365日院内に常駐させて「断らない救急」を徹底させた結果、年間の救急車受入れ件数約1,600件に対し、受入れを断る件数は1~2件という状況になっています。一方で「急性期と在宅は一体の関係になければならない。」という私の考えに基づき、早期からのリハビリスタッフの介入を徹底するため、今日、84床の病院でPT、OT、STあわせて約80名のリハビリスタッフ(訪問等に従事する非常勤を含む)を擁し、ベッドサイドまで赴く献身的なリハビリを実践しています。

 ご周知のとおり、世界に先駆けた超高齢社会を迎える我が国では、事実上2025年から始まる急速な高齢人口の増加と、生産年齢人口の減少によって、社会保障制度を根本から見直す必要に迫られるなか、地域包括ケアシステムの構築を急ぐとともに、地域における各病院の役割とその機能に応じた病床再編を加速させています。
 当院では既に20年先までの備えとして、救急応需の間口をさらに広げる目的と、機能分化と病床再編の行方を睨んで、さらには地域内情勢の激変にも十分対応できることまで視野に入れた増築棟の建設を完了しております。
 これからも当院では、救急医療を原点としながらも、行政や医師会とのタイアップにより地域の実情に応じた柔軟な医療提供体制を整え、社会医療法人としての公益性を追求していくことをお約束します。

理事長 西松 輝高