MRI装置(1.5T)(SIEMENS社製 MAGNETOM Sola)

令和7年2月より、沼田脳神経外科循環器科病院ではSIEMENS社製MRI(MAGNETOM Sola)が稼働いたしました。
医療における人工知能技術(AI)の進歩は目覚ましく、画像診断分野においてもディープラーニングと呼ばれる技術を用いた画像再構成が盛んに取り入れられています。
本装置はAIを用いた最新技術を備えており、”従来よりも綺麗な画像を速く撮像する”ことが可能になりました。
群馬県初導入となる本装置を活用することで、より質の高い医療を提供し、患者さんにこれまで以上の安心と満足を還元できるものと考えております。
MRI画像例
「頭部」



脳の中を様々な角度から観察することで、脳梗塞や出血、脳動脈瘤や狭窄などを発見する事が出来ます。また、VSRAD(ブイエスラド)と呼ばれるアルツハイマー型認知症の早期診断のための検査も可能です。
「心臓(冠動脈)」


心臓を栄養する血管(冠動脈)をMRIで見ることができます。造影剤等の薬剤を使わずに検査が可能です。他にも、心臓の弁(血液の逆流を防ぐためのドア)や心筋の状態を同時に検査できます。
「下肢血管」

お腹の辺りから足先までの血管の画像です。血管に狭窄や閉塞などが起こると、足に冷感や痛みを感じることがあります。造影剤は使わずに検査が可能です。
「頚動脈MRA」

左の画像は頚部(首)の動脈をMRIにて撮影した画像です。大動脈弓部とよばれる大血管より、頭部までの動脈を撮影しています。頚部の動脈には内頚動脈の分岐部や椎骨動脈の起始部の狭窄の有無、程度、動脈硬化による血管の蛇行の程度などの評価が可能です。
「脳動脈MRA」

左の画像は頭部(脳)の動脈をMRIにて撮影した画像です。頭部の動脈では、前交通動脈分岐部、中大脳動脈部、内頚-後交通動脈分岐部、脳底動脈終末部などに脳出血の原因となる動脈瘤の好発部位があります。また頭部の動脈における狭窄の程度や閉塞などの評価が可能です。
「VSRAD」

左の画像はアルツハイマー型認知症の早期診断のために、MRIによる認知症診断支援システム”VSRAD(ブイエスラド)”を撮影した画像です。これまで、難しかった認知症の早期診断の参考となる情報を得ることが出来ます。アルツハイマー型認知症は、早期診断、早期治療が重要となってきます。
「MRS(magnetic resonance spectroscopy)」


左の画像はMRS(magnetic resonance spectroscopy;MRスペクトロスコピー)を撮影した画像(グラフ)です。 MRSは、生体内の分子(物質)の種類や成分を調べる撮影法で、特定の部位を撮影・解析しグラフ化することで正常部位と病変部位の個々の物質のピークを調べることが可能です。 主に脳腫瘍の鑑別などに対して有用な撮影法です。
「DWIBS(Diffusion-weighted Whole Body With Background Body Signal Suppression: 全身拡散強調画像)」

MRIを使用して全身(首元~脚の付け根)のがんや転移をチェックできる検査です。放射線被ばくが無く、造影剤を使用しないため、安心して検査ができます。本検査で異常を検出した場合、さらに他の精密検査を実施することで診断を行います。