脳波とは
脳は大脳、小脳、脳幹に大別され、なかでも大脳は表層に約100億個以上の神経細胞があると言われる大脳皮質とそれを他の神経とつなぐ神経繊維が多くある白質に区別され、運動の指令や知覚情報の取り入れと分析、思考や記憶などの高次機能を司ります。
脳波は神経細胞が発生する微弱な電気のバラツキの程度をみており、日常で活動している場合、神経細胞が活発になるため、バラツキが大きくなります。逆に睡眠中では活動が低下するため、バラツキが少なくなります。これは病気により大脳の機能が低下した状態でも当てはまります。
何が分かるか
- てんかん(何らかの原因で神経細胞が過剰に活動するために起こる病態)
- 意識消失(原因がてんかんによるものかどうか)
- けいれん発作(原因がてんかんによるものかどうか)
- 外傷性後遺症(外傷によるてんかん発作の誘発はないか)
- 抗てんかん剤の治療効果
各脳波検査
脳波
22個の電極を脳全体を覆うように頭皮に装着します。(特に痛み等はありません)脳全体を覆う事で異常波形が脳のどの部位から発生しているかの診断が可能になります。
検査時間は30分以内と短時間のため、異常波形を検出するために人為的に誘発させる賦活法を行います。方法は下記になります。
- 開閉眼(目を開けたり、閉じたりして誘発させます。)
- 過呼吸(深呼吸にて過換気状態にして誘発させます。)
- 光刺激(目の前で周波数の異なる光の点滅にて誘発させます。)
それ以外は開眼にて横になっているだけで、検査が行えます。
長時間ビデオ脳波
脳は常時同じ状態ではないため、脳波検査という短時間での検査では異常波形の出現を捉えられないこともあるため、長時間(24時間)の脳波を行う場合があります。これは覚醒状態から睡眠状態の脳波を記録し、かつビデオ録画にて発作時の身体状況も把握する事ができます。