超音波とは

 ヒトの聴覚で捉えることのできる音よりも高い音(周波数)であり、振動により伝わります。この振動は媒体(気体や液体など)を通して伝搬しますが、真空中で伝わりません。
 この超音波を使用して画像に変化することで心臓や腹部(肝臓や腎臓など)、血管などの形態や機能を非侵襲的に短時間で診断することができます。
 また、ドプラ効果を応用し、動いている物体のみを抽出したカラードプラ法などにて血液の流れや血流速度を計測することができます。
 検査時には超音波を通りやすくするためにゼリーをぬり、体表面にプローブをあて様々な方向から観察や計測をします。

 

心エコー検査

検査の目的

 心臓(心室や心房など)の大きさや心筋の厚さ、心臓の動きなど形態的、機能的に評価し、心不全や心筋梗塞、心臓弁膜症などの心疾患の診断の役に立ちます。 不整脈や胸痛、動悸、息切れなどの症状がある場合に有用な検査です。

検査実施時間

約30分 ※病態の状況により、時間を要する場合があります。

検査時のお願い

  • 前胸部を出しやすい服装でお願いします。
  • 検査当日の食事制限はありません。
  • 場合により、息止めをしていただきます。ご協力お願いします。

画像例

「僧帽弁閉鎖不全」

「大動脈閉鎖不全」

「右室内粘液腫」

頚動脈エコー検査

検査の目的

頸動脈とは頭頸部に血液を送る動脈で、その病変による障害発生はプラークによる閉塞や狭窄による血流の低下やプラークの破綻により生じた血栓が脳血管を閉塞することにより発生します。頸動脈エコーでは動脈硬化の病態の進行程度(内中膜複合体の肥厚⇒プラーク形成⇒狭窄⇒閉塞)を評価することができます。意識障害や頸動脈雑音、頭痛、めまい等の症状がある場合に有用な検査です。

検査実施時間

約20分 ※病態の状況により、時間を要する場合があります。

検査時のお願い

  • 首が出しやすい服装でお願いします。
  • 検査当日の食事制限はありません。

下肢血管(動脈・静脈)エコー検査

検査の目的

下肢静脈
下肢静脈疾患には静脈血栓塞栓症(VTE)や静脈瘤が代表的であり、静脈血栓塞栓症では筋膜より深部を走行する静脈に血栓が生じる深部静脈血栓症(DVT)と骨盤内などの深部静脈に生じる血栓が塞栓子として肺静脈を閉塞する肺血栓塞栓症(PTE)に分けられる。静脈瘤では、筋膜より浅い部位の表在静脈が還流障害により拡張などを起こします。ちなみに表在静脈が血栓により生じる炎症を血栓性静脈炎といいます。下肢静脈エコーでは血栓の部位や性状、血管の大きさや血液の流れなどの評価に有用です。
下肢動脈
動脈疾患には閉塞性と拡張性の病変に分けられ、閉塞性では動脈硬化に伴う末梢動脈疾患(PAD)などがあげられ、拡張性では動脈瘤などがあげられる。下肢動脈エコーでは、動脈硬化の進展や血管の拡張、血流速度波形による狭窄や閉塞部位の推定、ステント留置術後の評価などに有用です。
下肢動脈

 動脈疾患には閉塞性と拡張性の病変に分けられ、閉塞性では動脈硬化に伴う末梢動脈疾患(PAD)などがあげられ、拡張性では動脈瘤などがあげられる。下肢動脈エコーでは、動脈硬化の進展や血管の拡張、血流速度波形による狭窄や閉塞部位の推定、ステント留置術後の評価などに有用です。

下肢静脈

 下肢静脈疾患には静脈血栓塞栓症(VTE)や静脈瘤が代表的であり、静脈血栓塞栓症では筋膜より深部を走行する静脈に血栓が生じる深部静脈血栓症(DVT)と骨盤内などの深部静脈に生じる血栓が塞栓子として肺静脈を閉塞する肺血栓塞栓症(PTE)に分けられる。静脈瘤では、筋膜より浅い部位の表在静脈が還流障害により拡張などを起こします。ちなみに表在静脈が血栓により生じる炎症を血栓性静脈炎といいます。下肢静脈エコーでは血栓の部位や性状、血管の大きさや血液の流れなどの評価に有用です。

検査実施時間

約30分 ※病態の状況により、時間を要する場合があります。

検査時のお願い

鼠径部~足首まで行うため、こちらで用意する短パンに履き替えていただきます。また、検査当日の食事制限はありません。

画像例

「下肢動脈閉塞」

「DVT」

腹部エコー検査

検査の目的

評価する臓器は肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、前立腺、卵巣、子宮と広範囲であり、さらに、血管や胆管、膵管といった管腔も観察し、腫瘍や結石、ポリープ、炎症などの評価に有用な検査です。

検査実施時間

約20分 ※病態の状況により、時間を要する場合があります。

検査時のお願い

  • 腹部を出しやすい服装でお願いします。
  • 午前に検査する場合:検査当日の朝から食べないようお願いします。
  • 午後に検査する場合:検査当日の9時から食べないようお願いします。
  • 水分摂取は水・白湯のみ可能です。
  • 普段服用しているお薬は内服して大丈夫ですが、例外もありますので必ず主治医に相談するようにお願いします。
  • 息止めや体位変換を行います。ご協力お願いします。

画像例

「大動脈内可動性プラーク」