初期認知症治療外来のご案内

アルツハイマー病の進行を緩やかにする新しい注射薬が登場しました。

新しい作用機序を持つアルツハイマー病による軽度認知障害の治療薬です。
軽度アルツハイマー型認知症に対し、既に内服治療を開始している方も治療を行う事ができます。

当薬剤は厚生労働省が定めた最適使用推進ガイドラインを守って使用することとなっており、当グループではこの薬を安全・適正に使用できるよう、初期認知症治療外来を設置しています。


受診について

初めて医療機関を受診される方、「沼田クリニック」または「吾妻脳神経外科循環器科」にて通院中の方

診療担当者がお話を伺い、適応について判断すべく、投与開始前チェックシートをもとに問診や、簡単な記憶力の評価、頭部MRI による評価を行います。

 【投与をご検討いただける方】
アルツハイマー型認知症による軽度認知症害及び軽度の認知症の患者さん
※問診、検査結果次第では、ご希望に添えない場合もあります。

受診の結果投与できる可能性が認められた場合、さらに専門的な評価を行うため、当院の初期認知症治療外来へご案内させていただきます。

パターン
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かかりつけ医からの紹介状をお持ちの方、上記で当院の初期認知症治療外来へ案内された方

 沼田脳神経外科循環器科病院 初期認知症治療外来にて、詳しい検査をご案内いたします。投与対象は臨床診断に加えて、様々な検査によって厳格に規定されています。特に重要なのが脳へのアミロイドβプラークの蓄積が認められることです。アミロイドβプラークの蓄積を証明する検査としては、アミロイドPET という核医学検査と、脳脊髄液検査(CSF)検査があります。

  • アミロイドPET 検査は、専用の設備が必要となるため、当院と提携している医療機関へご紹介させていただきます。
  • 脳脊髄液検査(CSF)を行う際には腰椎穿刺が必要となります。腰椎穿刺とは、腰のあたりから針を刺して脳脊髄液を採取する方法です。まれに合併症が生じるため、検査の際は短期入院をご案内しております。

専門医が総合的に検討し投与の対象に該当するか否かを判断します。

パターン
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投薬開始

ドナネマブ(ケサンラ®)は、4 週間に一度、少なくとも30 分かけて点滴静注で投与します。
初回投与時は、副作用の出現などに注意が必要となるため、入院していただき投与を行います。
二回目以降は外来にて投与可能ですが、投与終了から30 時間程度、観察のため院内にて待機し
ていただきます。
投与後に発熱や関節の痛みといったアレルギー反応が出る場合がありますので、解熱鎮痛剤を処
方します。また、投与開始から半年程度は脳の腫れや脳の出血などの副反応を生じる可能性があ
るため、定期的なMRI 検査が必要です。

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 以上が大まかな流れとなります。

治療に際する医療費について

 ドナネマブ(ケサンラ®)は、4週間毎の点滴を12 ヶ月を目安に投与する治療となります。
投与開始後の評価にて、アミロイドβプラークの除去が確認された時点で、投与完了となります。

治療期間中の費用の目安〈1年(12ヶ月)で完了した場合〉
自己負担額総額1~3回目の負担額4回目以降の負担額
3割の場合約100万円約4万円約8万円
2割の場合約67万円約3万円約5.5万円
1割の場合約33万円約1.5万円約3万円

 保険診療の適応となる治療で高額療養費精度を利用する事もできます。自己負担の限度額は、実際の投与量や、加入されている健康保険、年齢や収入等により異なります。
医療費控除や自治体による助成制度など、この他の制度を利用できる場合もあるので、くわしくは、加入している公的医療保険やお住まいの市区町村へお問い合わせください。

お問い合わせ

受診までの手続きや医療費につきまして、ご不明な点などありましたら各窓口へお問い合わせ下さい。

初めての受診に関するお問合せ
  • 沼田クリニック        0278-22-1188(診療情報課)
  • 吾妻脳神経外科循環器科    0279-68-5211(診療情報課)
薬剤、費用に関するお問い合わせ
  • 沼田脳神経外科循環器科病院 0278-22-5052(医療・介護総合支援センター)