令和5年度 沼田脳神経外科循環器科病院 病院情報の公表

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)


病院指標

【指標1】年齢階級別退院患者数

ファイルをダウンロード

 

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 11 24 19 50 111 232 546 584 259

 当院における2023年度の退院患者数は、前年度と比べるとやや減少しています。年齢区分でみると60歳以上の占める割合が全体の88.3%(前年度の85.2%)であり、80歳以上に限ってみても全体の45.9%(前年度41.6%)を占め、前年度に比べて高齢化率は進んでいます。

 

【指標2】診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

ファイルをダウンロード

 当院の入院医療費は入院1日あたりの定額支払い方式で計算しており、これはDPC(診断群分類別包括評価)と呼ばれる方式に基づいてます。医療資源を最も投入した傷病名をもとに1日あたりの基本額が決まり、さらに診療行為(処置・手術等)等を加味しています。傷病名のそれぞれの分類に14桁の数字または「x」で構成されるDPCコードが割り振られています。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010060×2990401 脳梗塞 脳保護剤投与 副傷病なし 84 21.23 15.70 34.52% 76.85
010060×2990411 脳梗塞 脳保護剤投与 副傷病あり 76 24.93 17.39 22.37% 76.46
010230xx99x00x てんかん 手術・処置等なし 副傷病なし 49 4.78 7.20 4.08% 63.29
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫 手術・処置等なし 副傷病なし 45 28.04 19.09 57.78% 72.38
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 40 3.55 4.73 0.0% 72.25

 脳神経外科では、脳血管障害(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血等)の治療が大多数を占めています。これら疾患はいずれも緊急性が高く、24時間体制で治療できるよう備えています。病勢によって様々な神経症状が出現するため、機能回復を図るべく早期からのリハビリテーションも充実させています。


心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050130xx9900x0 心不全 転院以外 86 18.99 17.38 19.77% 86.37
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査 転院以外 65 2.06 3.05 0.0% 68.85
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 30 2.00 2.61 0.0% 69.93
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル治療(PCI) 24 4.67 4.26 0.0% 72.42
050210xx97000x 徐脈性不整脈 ペースメーカー手術 副傷病なし 24 14.08 9.77 12.5% 82.50

 心臓血管外科では、心不全の治療及び虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞等)に対する心臓カテーテル検査のための入院が多くを占めています。予定入院だけでなく緊急での心臓カテーテル検査も対応可能です。必要に応じて、カテーテル検査から引き続き、狭くなった冠動脈を血管の内側から拡張させる手術(PCI)による治療を行っています。手術としては他に、虚血性心疾患に対して冠動脈バイパス移植術、胸部・腹部大動脈瘤に対して人工血管置換術やステントグラフト内挿術、弁膜症に対して弁置換術、頻脈性不整脈に対してアブレーション手術、下肢静脈瘤に対してレーザー治療、徐脈性不整脈に対してペースメーカー移植術を行っています。
また、手術適応とならない心疾患(慢性心不全等)に対する内科的治療も行っています。急性発症の心大血管疾患、心大血管疾患に対する手術後、および慢性心不全等のため日常生活能力が低下している方に対して早期から心大血管リハビリテーションを実施しています。週1回多職種によるカンファレンスを行い、社会復帰に向けて早期退院・転院援助を行っています。

内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 21 13.76 13.52 4.76% 81.24
110280xx9900xx 慢性腎不全 手術・処置等なし 17 13.24 11.49 11.76% 73.76
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術・処置等なし 12 13.42 20.60  0.0 81.83
050130xx9900x0 心不全 手術・処置等なし 転院以外 10 15.50 17.38   0.0  85.50
100380xxxxxxxx 体液量減少症 10.60

 内科では腎疾患や感染症に対する治療を行っています。腎疾患については、腎不全に対して必要があれば血液透析を行っています。感染症は、尿路感染症や肺炎に対して治療を行っています。患者数が10件未満の項目は「-」と表示しています。


循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050130xx9900x0 心不全 手術・処置等なし 転院以外 41 17.27 17.38 29.27% 87.83
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸症候群 終夜睡眠ポリグラフィー検査 17 2.00 2.03 0.0% 62.06
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 17 11.29 13.52 17.65% 82.65
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 10 10.70 8.71 0.0% 66.10
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術・処置等なし 10 21.80 20.60 20 82.90

 循環器内科では心不全、弁膜症等の心疾患に対して内科的治療を中心に行っており、積極的治療の適応患者さんは心臓血管外科で治療を行っています。他に、顔面神経麻痺には内服、高気圧酸素療法、ブロック注射など複合的治療を行っています。入院患者さんが高齢なため、心不全、尿路感染症、肺炎などの症例が多くなっています。


 

【指標3】初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

ファイルをダウンロード

 

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌
大腸癌
乳癌
肺癌
肝癌

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

 当院は脳と心臓の専門病院であり、5大癌についてはいずれも患者数は10件未満となっています。
しかし、当院では人間ドックや癌検診も積極的に行っており、さらに入院時には胸腹部CTを始めとした全身検索を行っています。ここで見つかった癌については部位や進行度に応じて専門的治療を受けられる医療機関へ紹介しています。患者数が10件未満の項目は「-」と表示しています。

 

【指標4】成人市中肺炎の重症度別患者数等

ファイルをダウンロード

 

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 26 14.08 82.96
重症 14 18.50 82.50
超重症
不明

 市中肺炎とは、普段生活を送っている中でかかる肺炎のことです。ここでは日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインによる、肺炎の重症度分類(A-DROPスコア)に基づき集計しています。患者数は中等症が一番多く、平均年齢は80歳以上となっています。患者数が10件未満の項目は「-」と表示しています。

 

【指標5】脳梗塞のICD10別患者数等

ファイルをダウンロード

 

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内 291 26.41 78.44 32.8%
その他 20 3.80 77.15 0.0%

 「ICD10」とは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」の英語表記の頭文字をとったもので、世界保健機関(WHO)より公表されたものです。死因や疾病統計に使用されるもので、疾病ごとにアルファベットと数字で表記しています。
当院では脳梗塞に限らず緊急性の高い急性期病変に対して、24時間365日対応可能であり、常時CT、MRI、脳血管撮影、心臓カテーテル検査、脳波、エコー検査を行うことができ、緊急手術も24時間可能です。脳梗塞に対しては、病態に応じて血管内治療(血栓回収術)、血栓溶解療法(t-PA治療)、脳保護剤(エダラボン)投与、高気圧酸素療法、早期からリハビリテーションを行っています。

 

【指標6】診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

ファイルをダウンロード

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 39 0.95 15.64 23.08% 80.26
K1781 脳血管内手術(1箇所) 29 1.41 23.52 24.14% 73.83
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 14 3.50 10.57 14.29% 78.00
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭・硬膜下)
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭・脳内)

 脳神経外科で最も多い手術は、慢性硬膜下血腫に対する手術です。慢性硬膜下血腫とは、転倒などで頭をぶつけた後、頭蓋内に被膜を有する血液の貯留が生じて徐々に増大する病気です。高齢者に多く、物忘れ、ふらつき等の症状が徐々に出てきて、手術で完治します。局所麻酔で頭蓋骨に小さな孔を開け、管を入れて血液を洗い流しますので、高齢者でも負担の少ない治療です。また、当院は一次脳卒中センター(PSC)の認定を受けており、外科的対応やrt-PA及び脳血栓回収療法等、脳卒中急性期治療を行っています。患者数が10件未満の項目は「-」と表示しています。


 

心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 30 0.00 1.00 0.0% 69.93
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 23 1.57 6.00 8.7% 71.70
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 21 2.86 14.76 9.52% 80.81
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 18 1.00 2.17 0.0% 70.11
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 17 0.65 16.12 5.88% 76.53

 
 心臓血管外科で最も多いのは、下肢静脈瘤に対するレーザー治療です。下肢静脈瘤とは、足の血管がコブのように膨らんだ状態のことで、足のだるさ、むくみなどの症状が特徴です。治療としては硬化療法(硬化剤を注射し静脈を癒着させる)と、結紮術(静脈をしばる)と、ストリッピング手術(静脈を引き抜き、皮膚切開により静脈瘤を切除する)と、レーザー治療(レーザーで静脈を血管内から焼灼する)と、弾性ストッキングで静脈瘤を強く圧迫する方法があります。入院での治療はほとんどがレーザー治療で、1泊入院となっています。
また、経皮的冠動脈ステント留置術も多く、予定入院の場合はほとんどが1~2泊で自宅退院となります。狭くなった冠動脈にステントという金属の筒を留置することで、血管を内側から広げる手術ですが、この手術が適応にならない場合は、冠動脈バイパス移植術を行うこともあります。


 

【指標7】その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

ファイルをダウンロード

 

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる 13 0.71
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる

 当院は治療や手術、処置の際の起こり得る合併症については事前に充分に説明した上で、それらを回避すべく細心の注意を払って診療にあたっています。
患者数が10件未満の項目は「-」と表示しています。

医療の質指標

【指標1】リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

ファイルをダウンロード

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」
以上の手術を施行した退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が
実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した
患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
22 17 77.27%  

周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、発生率を下げることにつながります。発症した場合の死亡率は極めて高いため、ガイドラインに準じた予防対策を実施しています。
60歳以上の実施率は86.3%となっています。
 
 
 

【指標2】血液培養2セット実施率 

ファイルをダウンロード

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子) 血液培養2セット実施率
356 121 33.99%  

血液培養1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行う ことが推奨されています。当院での血液培養検査の実施率は、心臓血管外科で42%と最も多いですが、2セット実施率は22%となっております。心臓血管外科の患者は医療必要度の高い患者が多く、有症状時に患者の状態に応じて1セットのみ実施していることも要因と考えます。
 
 
 

【指標3】広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

ファイルをダウンロード

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に
細菌培養同定検査が実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
172 136 79.07%  

当院では、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を組織し、抗菌薬適正使用を推進する取り組みを行っています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。検査を実施した数のうち、約8割が70歳以上となっています。

更新履歴

平成28年 8月14日(日)
病院情報の公表 フォーム掲載
平成28年 9月10日(土)
数値データのみ掲載(解説欄、ダウンロードデータは準備中)
平成28年 9月12日(月)
ダウンロードデータ掲載(解説欄は準備中)
平成28年 9月29日(木)
解説欄を掲載
平成29年 6月16日(金)
平成28年度のデータを公開
平成29年 9月 1日(金)
ホームページリニューアル
平成29年 9月19日(火)
平成28年度の様式に合わせデータを追加・修正
平成29年 9月30日(土)
平均在院日数(全国)を修正
平成30年 9月29日(土)
平成29年度のデータを公開
令和元年 9月30日(月)
平成30年度のデータを公開
令和 2年 9月23日(水)
令和元年度のデータを公開
令和 3年 9月28日(火)
令和2年度のデータを公開
令和 4年 9月21日(水)
令和3年度のデータを公開
令和 5年 9月27日(水)
令和4年度のデータを公開
令和6年9月30日(月)
令和5年度のデータを公開