日中の眠気の原因のひとつ

 注目されるようになったきかっけは、事故でした。2003年山陽新幹線で運転手が眠ったまま運転し岡山駅で緊急停止、2004年全日空の機長が眠ったまま操縦、2008年名古屋市で居眠り運転し信号無視したトラックによる人身事故など、重大事故を引き起こした原因に、睡眠時無呼吸症候が共通して存在するようです。

 また小学生~中学生の児童にも発症することがあり、日中の眠気のため学校の授業に集中することができず、成績が伸びないという報告もあります。

治療には健康保険が使えます!

 日中の異常な眠気、朝起きた時に熟睡感がない・頭痛がする、いびきがある、夜寝ている時に呼吸が止まっていると言われた、肥満がある、全身の倦怠感、集中力の低下、夜間頻尿等が主な症状と言われています。保険診療にて治療が可能となっています。

診断には一泊の検査入院が必要です。

 この病気を診断するには、寝ている状態を記録する必要があります。病気が疑われる方には、簡易検査装置をご自宅で2日間、寝ている時に装着して頂きます。この検査で疑いが強い場合に、一泊の検査入院をお勧めしています。

治療方法はひとつではありません。

 寝ている最中に気道が塞がってしまい呼吸が止まる、がこの病気の原因です。気道が塞がるのを防ぐことが治療方法となります。

持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)・マウスピース作成・生活習慣の改善(減量)・のどの手術があります。

持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)
最も普及している治療方法です。鼻にマスクを付けて空気を送り、気道が塞がるのを防ぎます。
マウスピース
専用のマウスピースを作成し、睡眠中に着用します。軽度の方に勧められるようです。
生活習慣の改善(減量)
減量することにより、のどのぜい肉がとれ、結果的に気道が広くなり塞がるのを防ぎます。
のどの手術
主に小児に勧められるようです。小児の場合、その多くは扁桃腺が大きいためで、寝ているときに気道を塞いでしまいます。これを小さくする手術を行い、気道が塞がるのを防ぎます。夜ぐっすり眠ることにより、昼間授業に集中することができるようになり、成績の向上が望めるそうです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来を行っています。外来の予定についてはSAS外来をご覧下さい。