当院ではボトックス注射治療を行っております。

治療を希望される場合は、受診される前にお電話にてお問い合わせ下さい。

ボトックス注射とは

 ボツリヌス毒素製剤の一つです。ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)がつくるタンパク質(ボツリヌストキシン)を薬として用いられるように、加工されたものを用います。「毒」なんて怖い響きですが、正しく扱えば毒も薬になります。

 1980年代から本格的に医学へ応用され現在に至っており、特に美容整形の分野では眉間や目尻のしわとりなどに応用されています。

薬の効果

 ボトックスは筋肉を支配する神経に取り込まれて、その神経をマヒさせます。その結果、注射された筋肉を弛緩させることが出来ます。過剰な緊張によって固くなってしまった筋肉を弛緩させることにより、関節を動かしやすくします。

 ボツリヌス菌自体を注射するわけでは無いので、ボツリヌス菌に感染するといった危険はありません。

注射が可能な病気

 眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頚、下肢痙縮、上肢痙縮、小児脳性麻痺の下肢痙縮に伴う尖足、発汗異常(脇汗)となっています。

 脳卒中後遺症の手足の筋肉のつっぱりやこわばりに対して、ボトックス注射が適応となります。

薬効の持続期間

 お薬自体は、注射後速やかに神経に取り込まれますが、実際に効果は2~3日後より徐々に出てきます。また効果は3~4ヶ月持続し、徐々に注射前の症状が再び現れてきます。ですので、効果を継続したい場合は反復した注射が必要となります。

 このお薬はタンパク質が主成分ですので、ごくまれに抗体が作られて効果が減弱する可能性があります。

ボトックスの副作用

 主な症状に、脱力・注射部の痛み・筋痛・発疹があります。これらは薬の効果が予想以上に強く表れた結果と考えられており、薬の効果が弱まると共に回復していきます。

 これら以外にも副作用が考えられますので、おかしいなと感じたら直ちに主治医へ連絡して下さい。

費用

 上肢痙縮・下肢痙縮・眼輪痙攣・発汗異常(脇汗)に対して、健康保険が使えます。ですが非常に高いお薬ですので、窓口支払額が以下の表の通り高額になってしまいます。希望される場合は主治医とよく相談されるのが良いでしょう。

 脇汗に関しては、両側の注射で50~100単位の使用量が多いようです。

自己負担額の目安(令和4年4月現在)

ボトックス注射のみを行った場合のおおよその金額となります。他の診療で既に自己負担を支払っている場合や、別の検査を行ったりお薬が処方されると、下記の表と金額が異なります。

  50単位 100単位 150単位 200単位 250単位
自己負担割合3割 14,000円 22,000円 33,000円 41,000円 52,000円
自己負担割合2割 9,000円 15,000円 22,000円 28,000円 35,000円
自己負担割合1割 4,500円 8,000円 11,000円 14,000円 18,000円
(※但し支払金額は自己負担限度額(月額)までとなります。)