「もの盗られ妄想」と呼ばれる状態である可能性が高いです。

 一番身近で介護を行っている方に強く出ることが多いと言われており、「いつも助けているのに、いつも介護を行っているのに、真っ先に自分を疑うのか!」と憤りを感じるのも当然です。 

 「置き忘れたんでしょ・しまい忘れたんでしょ」などと叱るのは逆効果です。物がなくなり(片付けた事や場所を忘れてしまい)、本人はパニックを起こしている状態で正確な判断などできません。ここで怒られれば「私が困っているのになぜ怒るのか、もしかして盗んで図星をつかれたから、怒るのか」などと考えてしまいます。

 また「ここにあるでしょ」と、すぐに見つけてしまうと「こんな簡単に見つけるんだから、やっぱり盗んで隠した」と思い込んだりします。

 その他にも「この人はすぐ怒るから私のことが嫌いなんだ。だから私を困らせようとして貴重品を盗んで隠すんだ」などと一方的な思い込みをするようになり、ますます妄想やおかしな事を言い出すかもしれません。

 このような時には「それは大変!」と共感してあげるのが良いでしょう。一緒に探してあげて、本人が見つけ出せるように「この引き出しの中は?」と誘導したり、見つかったら一緒に喜んだりするのが効果的です。一緒に探す時は、本人が見つけられるように誘導するのがコツです。

 他にも良く話を聞いたり、「おやつを食べて、すこし落ち着きましょうか」などと声をかけて、気持ちを他に向けさせる工夫も良いでしょう。

 一番身近で、最も信頼している相手だからこそ言えることがあります。わがままを言ったり、強く当たったり、他人や知人、友人には言えず、家族だから言えること。そういう事が言えるほど信頼されている、と前向きに考えてみるのも良いのではないでしょうか。