城西クリニックの新しい門出に当たって
城西クリニックは、CTとMRIに特化した画像診断専門クリニックとして平成6年9月に開院しました。創立20周年の平成26年12月末に現在の輝城会ビル1F(前橋市国領町2-13-23)に移転し、平成27年1月5日から「放射線診断科」として再出発しました。移転に際して特筆すべきは、3T MRI 1台を増設し、さらに全機種ともに最新型の装置の導入という思い切った投資をしていただいた西松輝高理事長の英断です。深く感謝の意を表します。現在は名誉院長として引き続き地域の医療に貢献していく立場となりましたが、思い起こせば、筆者が群馬大学助教授であった頃に城西クリニックの開設に当たって事前の相談を受けたこと、定年退職後の平成20年に院長に就いて開設20周年での移転と、重要な節目で関わりを持つ立場にあったのは不思議な縁だと思っています。画像医学でのCT、MRIといった画像診断法の進歩はめざましく、これらの非侵襲的な断層画像検査による病変の検出と診断、治療方針の選択や決定に関して画像診断の果たす役割が増え、医療に不可欠な診断法として定着しています。
城西クリニックの役割は、高級機器の持つ性能を駆使してさらに質の高い画像診断を実践することだと思っています。診療目標として掲げている「1. 患者第一主義に徹します」の原点はここにあります。また、当時の移転に際しては受診者の動線を重視した室内のレイアウトに心がけました。現在も検査前の身体計測、問診、造影剤禁忌の有無や体内金属の有無チェック、検査後の状態観察など、きめ細かな配慮や対応を行っています。「2. 質の高い検査と診断を実践します」に関しては、患者さんの病態解明のための具体的な検査プロトコルの選択と実施を行っていますし、読影の質の担保についても、群馬大学大学院画像核医学講座から非常勤医師の派遣を得ています。「3. 画像診断を通じて地域医療の向上に貢献します」のために検査待ち日数の短縮による迅速な診断と治療方針の決定で適切な治療を受け、早期の社会復帰の実現を目指しています。
今後も小林進院長と共に、地域の先生方との連携をさらに深めて、画像診断を介して地域住民の健康の増進・回復を目指して一貫した現場主義を心掛けたいと思っています。
城西クリニック 名誉院長 松本 満臣
名誉院長略歴
- 1966年
- 群馬大学医学部卒業
- 1966年
- 群馬大学医学部附属病院にてインターン
- 1967年
- 群馬大学医学部放射線医学教室
- 1968年
- 群馬大学医学部放射線医学教室助手
- 1972年
- 玉村町国民健康保険診療所長
- 1973年
- 群馬県立がんセンター放射線部
- 1974年
- 群馬県立がんセンター放射線部医長
- 1977年
- 群馬県立がんセンター放射線部部長
- 1988年
- 群馬大学助教授、医学部附属病院放射線部副部長
- 1994年
- 東京都立医療技術短期大学教授、診療放射線学科長
- 群馬大学医学部非常勤講師(~2010年)
- 東京女子医科大学非常勤講師(~2003年)
- 1998年
- 東京都立保健科学大学教授、放射線学科長
- 2002年
- 東京都立保健科学大学教授、教務部長
- 2005年
- 東京都立保健科学大学名誉教授
- 医療法人博仁会第一病院放射線部部長
- 2008年
- 城西クリニック 院長
- 2018年
- 城西クリニック 名誉院長
主な著書
- 松本満臣,土井司編集:考えるMRI撮像技術.文光堂,2007.
- 日本医学放射線学会・日本放射線技術学会、マンモグラフィガイドライン委員会編:マンモグラフィガイドライン,第2版増補版.医学書院,2007.
- 大内憲明編:マンモグラフィによる乳がん検診の手引き,第3版,日本医事新報社,2004.
- 松本満臣著:最新胸部CT診断学,朝倉書店,1997.
- 古瀬 信,松本満臣編:胸部画像診断up date.中外医学社,1992.
- 永井輝夫,平敷淳子,松本満臣編:最新CT診断学,朝倉書店,1991.