【診療放射線課目標】やさしい放射線技師
放射線課ではX線撮影・CT・MRI・骨密度測定などの画像検査業務を行っています。私たち診療放射線技師は最新医療機器の性能を十分発揮し、診断に有用な精度の高い画像を提供出来るよう日々努力しています。
また『やさしい放射線技師』を目標に、患者さんに安心・安全な検査が提供できるよう医療被ばく低減・感染対策や転倒転落防止などに十分考慮し、検査を行っていきたいと考えます。
放射線ひばく(被曝)についての説明
放射線被曝の程度は検査によって大きく異なります。一般に撮影枚数や撮影時間が大きくなると被曝量は増えます。また、撮影部位によっても異なります。被曝の程度を示す基準を1年間の自然放射線被曝(食べ物、大地、宇宙などから、人が誰でも知らないうちに被曝している量)とすると、胸部レントゲンは10分の1、腹部レントゲンは2.5倍、CTは5倍程度に考えられます。この程度の被曝ではなんらかの症状が出る可能性はなく、臓器への被曝の影響は、ほとんどが約1日で回復すると言われています。
回復しない影響には遺伝的影響と発癌の2つがありますが、このうち遺伝的影響は人間では科学的にまだ証明されていません。しかし、とくに妊婦さんや若年者に対しては現在でも過剰な配慮(検査をひかえたり、生殖腺を防護したり)をするように心がけております。また発癌は広島、長崎の原爆や、チェルノブイリ原発事故で有名ですが、その被曝量は自然放射線の数百倍から数千倍以上であり、検査の微量被曝では発癌の因果関係はまだ不明です。従って、放射線検査に伴う被曝による悪影響は必ずしもないわけではありませんが、過度に恐れる必要もありません。
患者さんにとって病気の早期診断は大きな利益であり、そのための放射線検査です。しかしわずかながらでも放射線被曝の不利益(悪影響)の可能性がある以上、無駄な放射線被曝は避けなければなりません。従って、検査に当たっては何の目的で行うのか、それによって何が診断できるのかを主治医から十分な説明を受けて、納得した上で検査を受けるようお願いいたします。